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令和2年度事業報告及び決算

令和2年度は、元年度第三学期からの新型コロナウイルス感染拡大に伴う、国の全国一斉臨時休業措置(3月2日から春休み開始前までの期間)に伴い、3月の給食実施日数が大幅減となり、引き続き5月までの間、緊急事態宣言の発令により学校が臨時休業となったことから、本会の主食及び一般食品提供事業を始め、主食の委託加工事業者及び学乳提供事業者などに多大な影響があったほか、本会及び他団体主催の事業や各種研修会、全国大会等、その多くが中止せざるを得なくなるなど、各方面に影響を受けた年度となりました。

このことに関連して、新型コロナウイルス感染拡散防止のため、令和2年3月の国の全国一斉臨時休業措置による給食費返還等に係る保護者への負担軽減、衛生管理改善及びその影響を受けた県内の主食加工委託事業者等を救済するため創設された文部科学省の学校臨時休業対策費補助金事業について、本会は県内の事務担当窓口として、県内設置者等に対する需要数調査及び違約金相当額請求等のとりまとめ並びに本補助金の交付、また、主食の加工・納品委託先である福島県パン及び生麺協同組合に対する違約金相当額の支払いなどの事務手続きを各関係機関の協力の下、令和2年度末まで行い、令和3年5月に事務費等の精算を終えたところです。

こうした厳しい状況の中、安全安心な食品の安定的な提供と食育の推進に努めてまいりました。

実施した事業は、以下のとおりであります。

Ⅰ 会議等の開催

1 評議員会及び理事会

評議員会を3回(6/23、7/15(書面)、3/29)、理事会を3回(6/9、7/7(書面)、3/3)開催しました。

2 その他の会議

新型コロナウイルス感染症の影響を受け、学校給食用食品委員会及び委託加工事業者選定委員会については、開催方法を変更し書類審査にて開催しました。
また、食育に関する調査研究会は、1年延期することとしました。

3 会計監査

監事による会計監査を執行しました。

Ⅱ 実施した事業

1 食品の提供に関する業務

(1)取扱食品の安全・安心の徹底

新型コロナウイルス及びノロウイルスなどの感染防止、また、食品衛生法に基づく「HACCPの考え方を取り入れた衛生管理」への対応等、衛生管理の徹底・強化を図るとともに、東京電力株式会社福島第一原子力発電所事故以降、県民の食の安全に対する関心が高いことから、以下のとおり取組み、取扱食品の安全・安心の確保に努めました。

ア 原料・産地の確認等

取扱食品の仕入先に対し、事前に原料配合、原料産地等が確認できる書類の提出を求めるとともに、入荷時における変更等の確認を行うなど、検収の徹底を図りました。

また、本会食品検査室で抜取りによる細菌検査を実施したほか、冷凍野菜等の残留農薬検出検査及び食品添加物の理化学検査を専門機関に委託して実施し、その結果をホームページや給食会だよりで公表しました。

イ 食品の放射性物質検査

食品の安全性を確認するため、当会所有の放射性物質検査機器2台と県から借用している検査機器1台を用いて県産食材を中心に放射性物質検査を行いました。検査実施件数は7,319件で、その検査結果はすべて検出下限値未満(検出下限値:10㏃/kg)であり、本会のホームページ上に検査後速やかに公表しました。

なお、平成24年5月の検査開始以来、検査実施件数は123,329件となりました。

(2)食品の提供実績

基本食品及び一般食品の提供量及び金額は、別表第1「食品提供実績」のとおりです。

(3)基本食品の提供

ア 提供量及び提供額

新型コロナウイルス感染拡大の影響により、4、5月においても多数の学校等が臨時休業となりましたが、第一学期の期間延長措置などにより、提供食数は前年度比2.4%増、提供額は前年度比6.6%増となっており、その内訳は、次のとおりです。

まず、提供食数では、基本食品合計が、18,561,418食で、前年度比2.4%増、その内、米飯は、10,541,869食で、前年度比7.4%増、パンは、4,898,561食で、前年度比0.9%減、米粉パンは、148,366食で、前年度比4.6%増でありました。

また、めんは、2,972,622食で、前年度比7.9%減の提供となりました。

次に、提供額は、1,192,912千円で、前年度比6.6%増でありました。

イ 主食の安全・安心の確保

1. 米飯類

 玄米の購入及び精米加工の委託先であるJAパールライン福島株式会社において、引き続き、袋詰めした給食用精米の全袋について放射性物質検査を行うとともに、本会においても抽出検査を実施し、より安全・安心な米を提供しました。

併せて、玄米・精米検定要領に基づき、品質、量目、包装荷姿及び数量等について一般財団法人日本穀物検定協会の検定を受け、各市町村の要望に応じた地元産米の提供を推進しています。

また、米飯についても、本会で細菌検査を行い、安全性を確認し提供しました。

2. パン及びめん

パン及びめんの原料である小麦粉については、小麦粉検定要領に基づき、一般財団法人日本穀物検定協会の検定を受けるとともに、パン及びめんについても、本会で放射性物質検査、細菌検査を実施するとともに、専門機関での残留農薬検査を行い、安全な食品の提供に努めました。

ウ 食品の安定的な提供

県内全域に良質、低廉、安全な食品を安定的に提供する方針の下、台風発生等の荒天時においても給食の実施に影響が出ないよう、委託加工事業者や配送事業者と十分に連携し定時の配送に努めました。また、加工事業者が委託加工を一時停止するなどした場合には、福島県パン及び生麺両組合と協議し、近隣事業者との調整や配送計画の見直しにより、市町村の意向に応じた主食の継続実施に努めました。

エ 主食の地産地消

1. 市町村産米等の安定提供

学校給食の中核となる米飯類については、品質管理を徹底するとともに、市町村の要望を最大限に反映できるよう、全農福島県本部及びJAパ-ルライン福島株式会社と連携し、安全性を確認の上、市町村産米等の必要量を確保して、安定的な提供に努めました。

2. 県・市町村産米の米粉パン

県内産・地元市町村産米を使用した米粉パンについては、希望する市町村に対して提供を行いました。

オ 主食の品質向上

パンの品質向上を図るため、例年、県、関係機関及び団体と連携し行っている品質調査については、新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から、審査員を限定し、10月に委託加工工場40工場全てについて実施しました。

判定の結果は、全工場が「優」でした。

カ 委託加工工場等の衛生強化対策

全ての委託加工工場代表者等を対象に開催している衛生研修会については、集合開催を取りやめ、環境衛生の専門事業者及び本会食品安全衛生管理室長を講師として関係資料を作成し、8月に紙上での研修を実施しました。

また、全工場(52工場)を巡回する実地調査に代えて、各工場の製造日報等の確認を行い衛生管理の保全に努めました。

なお、取扱食品に異物混入等の指摘があった場合には、直ちに現場に急行し事実確認を行うとともに、製造事業者と連携の下、原因の分析調査を行い、その結果を速やかに学校等に報告しました。

キ 加工事業者の選定

令和3年度の委託加工事業者選定に当たり、例年2月に開催していた選定委員会の集合開催を取りやめ、県及び市町村教育委員会、栄養教諭等、各委員による書類審査を経て、福島県パン協同組合加入40事業者及び福島県生麺協同組合加入12事業者を選定しました。

(4)一般食品の提供

ア 提供量及び提供額

新型コロナウイルス感染拡大の影響があったものの、第一学期の期間延長措置などにより提供量は、960,196㎏で前年度比4.7%増の提供となりました。次に、提供額は、861,832千円で前年度比4.9%増でありました。

イ 取扱食品の選定及び利用促進

学校給食実施現場における食品の需要動向を的確に把握する一方、「学校給食用食品委員会」については、委員の集合開催を取りやめ、各委員による書類審査を経て、加工品及びデザート等、新たに推奨食品87品目を選定し、給食実施現場の要望に即応した食品の適正、円滑な提供に努めました。

また、取扱食品の安全性、品質、価格についての理解を得るため、一般食品価格表、ホームページ、給食会だよりなどを活用した食品案内及び献立紹介を行いました。

ウ 地産地消への取組み

県の関係部局、JA等生産団体、食品製造加工事業者等と連携し、「冷凍青じそ入り県産鶏つくね」と「県産殺菌冷凍全卵」の2品を開発・提供して、学校給食における地産地消の推進を図りました。

特に、県立いわき海星高等学校(現、小名浜海星高等学校)の生徒が航海実習で捕ったカジキを原料とした「冷凍県産カジキカツ」を引き続き県内全域に提供するとともに、県等が主催する風評被害対策や地産地消を推進する様々な取組みに参加・協力しました。   

エ 共同購入の実施 

安全で良質な素材品等をより低廉な価格で安定提供するため、北海道・東北ブロックの学校給食会と共同で食品15品目を購入し提供しました。

オ 食品提供についての普及啓発

 保護者及び学校給食関係者に本会の食品提供事業等について正しく理解していただくため、学校や各地域で行われた学校給食試食会等において本会取扱食品を提供するとともに、その安全性、安定的提供、本会事業の公益性などについて説明を行い、積極的な普及啓発に努めました(2件、55人対象)。

カ 提供食品価格調整事業

「たけのこ」「かつおだしパック」「米油」など、学校給食用として使用頻度が高く、かつ代替が難しい食材の価格が高騰し給食への使用に影響があると判断した食品等について、一定の価格支援を行い安定提供に努めました。

キ 配送環境等の整備

新型コロナウイルス感染拡大防止のため、4,5月にとられた一部学校等の臨時休業措置に伴い学校給食が休止される中、委託輸送事業者と協議し、計画的に配送車を減便したほか、第一学期の期間延長時には職員による配送体制への切り替えを行いました。

また、取扱食品の安全性と品質管理を徹底するため、配送事業者との連携を密にし、走行時の交通事故防止及び荷下ろし時のトラブル防止を徹底するとともに、新型コロナウイルス及びノロウイルスなどの感染防止対策として配送車への消毒液配置や運転手の健康管理、手洗いの励行を推進しました。

2 衛生管理等に関する業務

(1)食品安全衛生管理室の活動

平成3年6月よりHACCPによる衛生管理が義務化されることに備え、「HACCPの考え方を取り入れた衛生管理計画」を作成し、これに基づく取り組みを令和2年4月1日より開始しました。

また、米飯・パン・めん等の委託加工工場に対して、同様の衛生管理計画を提示し、HACCPによる衛生管理の取り組みを推進しました。

(2) 衛生講習会の開催

学校給食における食中毒防止の観点から衛生管理の徹底を支援するため、福島県教育委員会と連携・協力し、7月に学校給食調理員を対象とした「学校給食調理員衛生講習会」を、9月には栄養教諭等を対象とした「栄養教諭等衛生講習会」を開催しました。

なお、新型コロナウイルスの感染を防止するため、本会の発行する「給食会だより」及びホームページ上に講習会資料を掲載するという方法で講習会を開催しました。

(3)学校給食用食品の食品検査

取扱食品の安全性と品質管理の徹底を図るため、次のとおり、定期的、計画的に取扱食品を検査しました。

ア 検査室検査

(ア)細菌検査

 取扱食品を計画的に抽出し、年間710検体の細菌検査を実施し、その結果をホームページ上でお知らせしました。検査結果は、食品衛生法に基づく食品の規格基準等にすべて適合していました。 

(イ)ヒスタミン検査

 平成28年1月に福島県内の小中学校2校の給食において、消費期限を過ぎたサンマのすり身を食べてヒスタミン中毒に陥るという食品事故が発生しました。この事故を踏まえ、本会では平成28年度から、赤身魚の冷凍切り身及び加工された冷凍魚等についてヒスタミン濃度を測定し、安全性を確認しています。検査開始からこれまでに325検体(令和2年度53検体)のヒスタミン濃度の検査を実施した結果、全てが40ppm未満であり問題のない値であることを確認しました。

イ 委託検査

残留農薬については、主食(パン及びめん)と冷凍野菜等10品目を、また、食品添加物(保存料:ソルビン酸、発色剤:亜硝酸塩)については17品目を専門検査機関に委託し検査を行い、その結果を本会のホームページで公表しました。

残留農薬の検査結果は、全品目が不検出で、食品添加物についても全品目が食品衛生法に基づく食品の規格基準に適合していました。

ウ 依頼検査

福島県パン及び生麺組合からの依頼を受けて主食(米飯・パン及びめん)の細菌検査を実施し、安全性を確認しました。依頼検査件数は、92件で、検査結果は、厚生労働省の定める衛生規範等にすべて適合していました。 

(4)検査機器の貸出

学校給食実施現場に「簡易細菌検査器」、「ATP拭き取り検査器」、「手洗いチェッカー」、「糖度計」、及び「塩分計」を無償で貸出し、その件数は51件でした。

3 学校給食の普及充実に関する業務

(1)広報活動

ア ホームページ等による広報

定定期的にホームページを更新したほか、本会が毎月発行している「学校給食会だより」を、内容の充実を図りながら県内全ての学校等に配布しました。

(2)食育推進等

ア 食育活動等への講師派遣

児童生徒を対象とした食育授業に本会職員を講師として派遣し、食育活動に対する支援を行いました。(派遣件数は、3件)

イ 各種イベント・事業への共催

県教育委員会が主催する「ふくしまっ子ごはんコンテスト」に本会も共催し(10月)、二次審査会場を貸出し、食育推進支援員を審査員として派遣、調理室等の貸出し、作品審査、表彰授与等を行ったほか県教育委員会の監修の下、入賞作品を掲載した作品集を発刊し、全ての小中学校等に配布するとともに応募者全員に参加賞(クリアファイル)を贈呈しました。

(3)学校給食に関する調査研究活動等

ア 食育に関する調査研究会の開催

 「学校給食の手引(改訂版)」作成のため2年間休止していた「食育に関する調査研究会」の再開に向け、新たなテーマを設定して開催の準備を進めておりましたが、新型コロナウイルスの感染状況を考慮し1年延期することとしました。

イ 研究団体等への支援

学校給食に関する研究団体等(5団体)が行う学校給食の普及充実に関する研究事業等を支援するため、福島県学校給食研究会、同研究会共同調理場部会、同研究会栄養士部会、全国栄養教諭・学校栄養職員協議会福島県支部及び栄養教諭食育研究会に対し助成金を交付しました。

(4)研修会の開催

4月の新任所長等研修会、6月の学校給食管理システム操作研修会、7月の調理技術講習会、10月の栄養教諭・学校栄養職員研修会については、新型コロナウイルスの感染状況を考慮し中止しました。

(5)各種大会等への参加支援

栄養教諭や学校栄養職員等の情報収集や研修のため参加支援をしておりま した第15回食育推進全国大会、学校給食の衛生管理等に関する指導者講習会、第61回全国栄養教諭・学校栄養職員研究大会、第71回全国学校給食研究協議大会については、新型コロナウイルス感染症の影響を受け中止となり、併せて参加支援も取り止めとしました。

(6)製造工場・産地等視察研修会

学校給食の円滑な実施とその普及充実のため、学校給食関係の全国大会等参加時に併せて実施していた製造工場・産地等視察研修会については、全国大会の中止により実施を見送りました。

(7)貸出事業

ア 教材・食器具の貸出

学校等における食育活動を支援するため、指導用フードモデルやバイキング用食器など教材等の無償貸出を行いました(貸出件数は、788件)。

なかでも、フードモデル、パネル及び紙芝居は、実物大で視覚に訴える媒体として理解しやすいため、よく活用されました。

イ 冷凍保管庫等の貸出

学校給食用食品の品質保持を図るため、学校給食用冷凍保管庫及び冷凍冷蔵保管庫を無償で貸し出しており、更新貸出を行いました(更新は4台で、貸出台数は、34市町村の138施設に対し163台)。

ウ 学校給食管理システムの貸出

栄養教諭及び学校栄養職員の給食事務の軽減化を図ることを目的として平成14年度に導入した本システムについて、市町村教育委員会等からの要望に応じた操作指導や直接学校等へ出向き個別指導を行ったほか、バージョンアップを行い利用の定着化に努めました (貸出件数は、43市町村、133施設) 。

エ 会場貸出

学校給食の円滑な実施及び食育の推進を支援するため、関係機関・団体等に対し、本会研修室等の貸出を行いました(貸出件数は、4件)。

(8)学校給食優良団体・功労者の表彰

10月26日、県教育委員会及び県学校給食研究会の共催の下、優良団体(推薦無し)、学校給食に功労のあった個人6名、県産食材活用部門1団体を表彰しました。

(9)学校給食用牛乳供給事業

福島県が定めた学校給食用牛乳供給実施方針に基づき、平成12年度から県より指定を受けている学乳代金配分業務について、引き続き受託し、牛乳代金の請求、受領、事業者への支払い等を実施しました。

4 運営管理に関する業務

(1)法人運営管理

公益財団法人として、法制度の趣旨に則り、引き続き適切な法人運営に努め、安全・安心な学校給食用食品の安定的な提供及び食育の推進を支援しました。

また、法人運営の基礎となる財務・会計については、公認会計士の指導、更に、令和3年1月には公益法人立入検査を受け適切な運営に努めました。

(2)役員改選等

令和2年6月に任期満了となる理事5名、評議員7名及び監事2名の選任を行いました。

また、6月末に任期途中での理事1名の辞任があり、書面同意による決議省略により評議員会及び理事会を開催し、新任理事1名の選任を行いました。

(3)職員研修の充実

例年、職員の資質向上を図るため、全国学校給食会連合会、ブロック学校給食会などが主催する研修会や講習会を受講し、職員のスキルアップに努めておりましたが、全て中止となりました。

(4)原子力損害賠償請求

平成28年4月分以降の放射性物質検査費用(食材購入費等)について、東京電力ホールディングスへの直接請求手続きを進めています。

(5)事務の効率化等

原発事故及び少子化による児童生徒数の減少の影響を受け、本会食品の取扱数量が年々減少し、財務状況が厳しくなっていること、また、令和元年10月から軽減税率が導入され、本会使用の会計ソフトの内容も見直しがあったことから、更新し会計事務の効率化と経費の節減に努めました。

5 主要な行事等

令和2年度の主な行事等は、別表第2「令和2年度主要行事等一覧表」のとおりです。

令和2年度 決算