患者報告が年々増加しているE型肝炎
2017年3月7日更新
公益財団法人福島県学校給食会
食品衛生管理アドバイザー 佐藤 哲哉
近年の最も気を付けたい食中毒はノロウィルスですが、E 型肝炎も注意が必要です。
平成23年の61人が翌年には倍の121人、27年は212人、28年末には400人に達するかの勢いでした。症状が出るまでの潜伏期間が平均6週間と長いため、原因食品が特定されにくいですが、豚やイノシシなどの肉やレバーを生や生焼けで食べたためと推定されます。牛の肝からO-157が検出されたことから牛のレバーを生食用として販売提供することが禁止されました。牛がダメならと豚のレバーを食べる人が出てきたので、厚労省では27年に豚の生レバーや生肉を飲食店で提供することも禁止しました。しかし、患者数は減らないようです。
学校給食では生肉提供はないので安全ですが、家族で外食する際の注意として啓発を願いたいです。妊婦や高齢者は感染発症した場合に劇症化する率が高く、死亡することもあります。専用のトングを使い、肉や内臓は中心部まで十分加熱することが大切です。