ノロウイルスの飛沫核感染
2016年11月18日更新
汚染食品や手を介した経口感染がノロウイルスの主な感染経路ですが、嘔吐の際に発生するエアロゾル(飛沫核)吸入も重要な感染経路の一つです。
代替ウイルス添加の擬似嘔吐物を飛散させた実験によれば、ウイルス量が少ない、低粘度の嘔吐物が弱い力で吐き出された場合、0.000072%、大量のウイルスを含む、高粘度の嘔吐物が勢いよく排出された場合、0.027%がエアロゾル化するという結果でした。
パーセント表示だと今ひとつ実感がわかないかもしれませんが、嘔吐物1mL にはノロウイルスが100万個以上含まれていることから、たとえば50mLの嘔吐物中のノロウイルスのうち空中に浮遊する数は、最小で1,000,000/mL×50mL×0.000072÷100=36、最大で13,500以上になります。
わずか18個で感染が成立することを考えると、嘔吐物周辺の空間がいかに危険であるか容易に想像できると思います。
(食品安全衛生管理室)