【 食育に関する調査研究会 】
本会では平成18年度に食育の普及充実に資することを目的として、「食育に関する調査研究会」を設立し研究を重ねてまいりました。
平成20年度には2年間の予定で、新たな20名の栄養教諭、学校栄養職員、教諭の方々により、集団的な食に関する指導方法として「食事のマナー」「食文化」「不足しがちな栄養素の摂取」に焦点を置き、また、個別の事情に応じた相談指 導方法として「肥満・やせ」をテーマに更に研究を進めてきました。
指導助言者には、福島県教育庁学校生活健康課 主任栄養技師 野内容子氏、元福島市立福島第三小学校長 松浦芳孝氏の両先生に的確なご指導をいただいております。
平成22年3月には、「食に関する調査研究報告書」として発行する予定です。
この調査研究報告書が、日々、忙しくご活躍されている先生方の食に関する指導の充実にご活用いただけることを願い進めております。
学校給食を教材とした食育指導の実践事例 1
伊達市梁川学校給食センター 栄養教諭 大友静枝
当センターでは、「地産地消献立日」「いちおし献立日」を設定し、旬の食材を生かした献立や伝えたい郷土食を積極的に取り入れている。今回、秋・冬の旬の野菜が体内でどのような働きをするのかを学校給食、地元野菜を教材として活用させ、TT方式による指導を行った。
1 題材設定
学級の児童には、苦手な食べものでも一口は食べようとする姿勢が見られるようになってきた。しかし、苦手な野菜には手をつけようとしない児童もいるため、健康的な生活をするためにも自分の食習慣を改善しようとする意識をもたせたいとする担任の希望があった。
2 指導内容の考慮点
(1)事前に自分の家庭や地域で作られている野菜を調べることにより、旬の野菜に関心をもたせ、学習意欲を高める。
(2)当日の給食に使われている食材を振り返ることにより、学習内容と関連づける。
(3)地元で収穫された野菜を提示し地場野菜に親しみをもたせる。
3 担当とのTT方式による指導内容
野菜の旬やその働きの説明は、担当と栄養教諭の対話形式とした。
栄養教諭が一人で説明するのではなく、児童の疑問点や知識として必要な内容など担当が意図して問いかけることにより、児童がより理解しやすくなると考えた。最初に、野菜が主に体の調子を整えることをつかませ、具体的には、具体的には「からだをあたためる」「かぜをよぼうする」「べんぴをふせぐ」という働きがあることにむすびつけた。
事後指導として、献立表をもとに振り返りの活動を一定期間続ける。ワークシートにチャレンジ目標を設定し実践。実践後に自己評価を記入する。最後に学級担任、栄養教諭、保護者からの励ま
しの記入欄を設けることにより今後、家庭でも継続していけるようにした。 |
これからも学校給食を活用した食育により、身近にある食材の働きや良さを理解し、健康を考えた望ましい食習慣を実践していく意識を高めていきたい。
<指導過程>
学校給食を教材とした食育指導の実践事例 2
1学年 学級活動 『すききらいをなくそう』
会津若松市立謹教小学校 主任栄養技師 馬場 浩子
謹教小学校は児童数508名、教職員・委託職員を合わせ540食ほどの単独校です。調理部門が平成20年度より民間に委託され、今年度は2年目となります。
本校の食育全体計画にも福島県の食育指針である「食べる力」「感謝の心」「郷土愛」がもりこまれ、それを基本に食育に取り組んでいるところです。今回、学校給食会さんより「給食を教材とした食育指導」について原稿を依頼されましたが、異動して1年目であり、指導時の記録写真をとっておいた訳でもなく、どうしたものかと困ってしまいました。とにかく給食と関係づけた食育として、児童に給食づくりに参加してもらうことが、好き嫌いをなくす手だてになればとグリンピースを鞘から出すお手伝いをしてもらうことを軸に行った「すききらいをなくそう」という学級活動の指導例を載せてみます。
本校の1年生の児童は事前のアンケートからも、給食を楽しみにしており、当日ばかりでなく次の日、また次の日の献立まで頭に入れている児童が少なくありません。もりつけ表のイラストからイメージを膨らませ、明日は何がこんな風に出てくる・・と楽しみにしています。しかし、嫌いな物は一口も口にしない極端な野菜嫌いの子もいます。野菜ではピーマン・なす・にんじんなどが特に嫌いな食品としてあがっており、グリンピースも4割近くの1年生が嫌いな物としています。
生のグリンピースは旬の時期が短い野菜です。それだけに生のはじけるおいしさのグリンピースを給食で味わってもらえるのは年に1回の機会だけです。毎年この季節には給食に『ピースご飯』として取り入れていますが、本当においしいグリンピースを味わっていないためか、特に低学年では残食になりやすい献立でもあります。そこで、1年生にピースご飯の下ごしらえをお手伝いしてもらうことにより、作り手の気持ちを体験することで食べようという意欲を喚起したいと考えました。
また、好き嫌いをして料理を残したり、嫌いな物を選り分けて残したりすると、仲間はずれになった食べ物はどうなるのか、どんな気持ちがするかをロールプレイをして感じてもらい、食べ物にも命があることや体に取り入れられてどんな働きをして命の形を変えていくのかを理解できるようにしたいと思いました。
以前(H16年)に津島小学校で泉先生が行ったロールプレイングを取り入れた指導を入れたり、グリンピースの下ごしらえで作り手の気持ちを体験したりすることで、その料理を残してほしくないという気持ちの芽生えを大切にし、好き嫌いなく食べることの大切さを肌で理解してもらえるように行いました。言うまでもなく、その日のピースご飯は1年生が1番残滓がなく食べていました。
第1学年 学級活動指導案
会津若松市立謹教小学校
平成21年6月11日(木)1の1 2校時
1の2 3校時
1の3 5校時
男子 名 女子 名 計 名 |
授業者T1: 担任
授業者T2: 学校栄養職員 馬場 浩子 |
1 題 材 名 『 すききらいをなくそう』
2 題材設定の理由
給食の時間はほとんどの児童にとって、学校生活の中での楽しみな時間であり、献立にも強い関心を持っている。しかし児童の中には食の細い子や偏食のある子も多く、食べたことのないものには手をつけようとしない食わず嫌いの子も見られる。成長期の児童にとって極端な偏食は健康と発達を阻害するものである。
そこで、健康な生活を送るために、また望ましい食習慣を身につけるためにも、食物に対する正しい認識をもつことが大切になってくる。また、食べてみようという意欲も低学年児童には大切である。そこで残食量の多い『ピースご飯』の下ごしらえを、前日に1年生にお手伝いしてもらうことにより、給食づくりに参加したという気持ちをもち、嫌いなものでも食べようという意欲づけをしたい。そして本時では、嫌いな食べ物にも体のためになる栄養があること、食べ物を残すことは食べ物を粗末にすること、命を粗末にすることであることを認識させ、作ってくれた人の気持ちも考え「よし、食べ
よう!」という意欲を高めたいと考える。
3 本時の目標(食育の視点)
(1)嫌いな食べ物にも、体に必要なもの(栄養)があることが分かる。(心身の健康)
(2)食べ物を粗末にする(残す・すてる)ことは、命を粗末にすることだと分かる。(感謝の心)
(3)作り手の気持ち体験し、好き嫌いはよくないこととわかり、食べようとする気持ちがもてる。
(感謝の心)
| 4 活動計画 |
事前
(1)好き嫌いのアンケートをとる
(2)グリンピースをさやから出す |
事後
(1)給食時訪問による声かけ
(2)短冊を給食室前掲示し意欲を高める |
|
5 準備物 アンケート結果 紙芝居 ロールプレイ冠 ワークシート パネルシアター 短冊
6 本時の展開 (45分) T1;担任 T2;学校栄養職員
|