鯨を食用としていた歴史は古く、海辺の人々は打ち上げられた鯨を縄文の昔から食べていました。戦後、緊急食料として学校給食で鯨肉が使われたほどたんぱく源が豊富な日常的食品となりました。
捕鯨船が入港する港は、北海道の網走・函館、宮城の鮎川、千葉の和田浦、和歌山の太地、山口の下関にかぎられていたらしいのですが、塩くじらを使ったくじら汁は、正月の「ハレ食」として食べられている北海道をはじめ、新潟・富山と主に日本海沿いです。会津に塩くじらが入ってきたのも北海道から新潟に伝わり、阿賀川を経由してきたようです。したがって、保存の効く塩

くじらが阿賀川沿いの地域で食べられるようになったのには地理的条件が大きく影響しています。

この日の給食指導では、これらのことをふまえ、くじらが遠く北海道から運ばれてきたことや、塩くじらを初夏に夏野菜とともにみそ汁にすることで、夏を元気に過ごすスタミナ源になることを伝えました。さらには、塩くじらや地元の夏野菜を提示したり、日本地図や福島県地図を使って「くじらの旅」の具体的な説明を加えたりしました。
だしの風味が独特なため、苦手な子も多いくじら汁ですが、給食指導を実施したクラスの残滓はほとんどありませんでした。子ども達の感想によれば「くじらが遠い旅をしてきたのにはとても驚きました。」「くじら汁がおじいちゃん、おばあちゃんたちの元気の素だと初めて知り、残さず食べました。」ということでした。
「食育基本法」が施行され、地産地消や郷土料理への関心が高まりつつありますが、核家族化が進む中、くじら汁などの郷土料理は食卓にのぼる機会が少ないようです。そこで、学校給食において積極的に郷土料理を取り入れることで、ふるさとの味を絶やさぬよう子ども達に伝えていきたいと思います。
※レシピをご希望の方は普及検査班までご連絡下さい。