腸管出血性大腸菌について
2017年10月5日更新
平成29年8月に埼玉、群馬両県の惣菜販売店でポテトサラダなどを購入した人が腸管出血性大腸菌O157に感染した問題は、その後東京都内の女児が死亡するという最悪の事態になり、感染源が特定できないまま、同じ遺伝子型の菌が関西など11都県にも広がるという異例の事態になっています(平成29年9月14日時点)。
平成12年から28年に発生した腸管出血性大腸菌食中毒137事例の原因食品の概要は、食肉類115件(83.9%)、野菜、サラダ類6件(4.4%)、漬物6件(4.4%)、その他10件(7.3%)となっています。(厚生労働省食中毒発生事例より)
以上のように、野菜が原因とされる腸管出血性大腸菌の感染例も報告されていますので、野菜の衛生管理にも十分注意する必要があります。
具体的には、
- 野菜は新鮮なものを購入し、冷蔵庫で保管するなど保存に気をつける。
- ブロッコリーやカリフラワーなどの形が複雑なものは、熱湯で湯がく。
- レタスなどの葉菜類は、一枚ずつはがして流水で十分に洗う。
- きゅうりやトマト、りんごなどの果実もよく洗い、皮をむいて食べる。
- 食品用の洗浄剤や次亜塩素酸ナトリウムなどの殺菌剤を使ったり、加熱することにより殺菌効果はより高まります。
まな板は、使用の都度、洗浄剤でしっかり洗い、熱湯または次亜塩素酸ナトリウム製剤(台所用漂白剤)で、消毒するとよいでしょう。
なお、野菜や果実など生食用食品に用いるまな板と、肉や魚などに用いるまな板は使い分けることが必要です。
腸管出血性大腸菌は75℃で1分間以上の加熱で死滅しますので、食肉も加熱して食べる限り、安全です。特に、ハンバーグなどの挽肉を使った食品、テンダライズ処理(針状の刃を刺し通し、原形を保ったまま硬い筋や繊維を短く切断する処理)、タンブリング処理(調味液を機械的に浸透する処理)、結着(他の食肉の断片を結着させ成型する処理)を行った食肉は、中心部まで75℃で1分間以上加熱して食べましょう。
なお、レバー等の食肉を生で食べることはひかえるとともに、加熱不十分な食肉(牛タタキ等)を乳幼児やお年寄りには食べさせないようにしましょう。
(食品安全衛生管理室)